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2022年9月 気になる新作情報

まだ残暑は続きますが、アメリカやイギリスでは9月は新学期! 新しいはじまりの月に合わせて、児童書も新作ラッシュ♪ その中から気になる新刊を選んでみました。 The Little Match Girl Strikes Back by Emma Carroll Illustrated by Lauren Child ヴィクトリア朝ロンドンの街角で、Bridie は家族を養うためにマッチを売っている。ある事件で手元にマッチが3本しか残らなかったとき、残ったマッチに明るい未来への魔法の力を感じる。自分には運命を変える力があると気づいた Bridie は、マッチ工場の労働者たちを率いてストライキを決行する。 Queen of Historical Fiction とも称される作者によって、アンデルセンの「マッチ売りの少女」が、大胆に生まれ変わる! The Door of No Return by Kwame Alexander 11歳の Kofi Offin は、いつか水泳大会で自分の実力を証明したいと思っている。村の祭りで、兄が代表としてレスリングコンテストに出ることになったが、試合は始まる前に終わってしまう。そして、Kofi は陸と海を越え、愛するものすべてから遠ざかる過酷な旅に出ることになる。 Verse Novel(詩の形式で書かれた小説)。 Percy Jackson シリーズの作者 Rick Riordan は、「まさに魔法にかけられたようだ。他の誰にも真似できないように、物語、詩、音楽、歴史を織り交ぜている。世代を超えて共有できる、忘れられない旅」と称賛コメントを寄せています♪ Odder by Katherine Applegate Illustrated by Charles Santoso "One and Only, Ivan" "Wishtree" の作者の新たな自由詩作品。モントレー・ベイ水族館で、ラッコの孤児に代理母を与えるプログラムの実話に着想を得て書かれた物語。 Odder は大胆不敵で、好奇心旺盛なラッコ。毎日カリフォルニアの海岸で、水中アクロバットの練習に励んでいる。しかし、あるとき空腹のホホジロザメに遭遇してしまい、その生活は一変してしまう。 As

2022年8月の気になる新作情報

暑い夏も、新しい本との出会いで乗り切りましょう♪ 今月の気になる新刊はこちら。 Resist by Tom Palmer 第二次世界大戦時、ナチス占領下のオランダ。 ナチスに叔父を殺され、兄を捕らえられたエッダは、レジスタンスの反撃のためにできることは何でもしようと決心する。 世界大戦と子どもたちを描く Conkers プロジェクト第6弾。 My Life Begins! by Patricia MacLachlan Sarah, Plain and Tall シリーズの作者による新作。 子犬がほしいジェイコブにプレゼントされたのは、子犬ではなくて三つ子の姉妹。子犬の方がかわいいのにと思ったジェイコブは、三つ子を「トリップス」と呼ぶことに。でも、科学の課題で三つ子を観察しはじめると、だんだん別の感情がわいてきて。 The Daredevils by Rob Buyea 双子のロレッタとウェイロンは、もうすぐ中学生。腕っぷしが強く、機転も利くロレッタは、ひ弱なウェイロンを中学に入ってからも守れるか心配しているが、ウェイロンにも自分なりの考えがある。 双子は真夜中の裏庭の森で同じ年頃のルーイと出会い、すぐに打ち解ける。ある夜、3人は謎の箱を見つけるのだが。 The Mystery of the Missing Mum by Frances Moloney ある日突然、ママが消えてしまった! ジェイクはママが行きそうな場所をリストアップし、探しはじめる。けれど、助けを求める相手はみんなイライラして忙しそう。なんでみんなはちっとも心配しているように見えないんだろう? On the Subject of Unmentionable Things by Julia Walton 誰もがフィービーは従順で優秀な生徒だと思っている。でも、実はポムというハンドルネームで、性教育の内容を書き換えてソーシャルメディアにアップする活動をしていた。誰にもバレないと思っていたが、市長候補がポムを非道徳的だと攻撃をはじめたことで状況が変わってしまう。フィービーは一歩も引かず、誤った情報が氾濫する中で真実を追求しようとするのだが。

洋書を読みたい方に海外児童文学をオススメする理由

児童文学。 あまり読んだことがないな、興味もそんなにないです、という方。 「あなたが普段日本語で読んでいる本は、海外では児童文学なんですよ」と言ったらどう思われるでしょうか。 日本で児童書は「売れている」ジャンルとされています。 KDDI総合研究所が2020年に行った調査では、児童書が圧倒的な強さを見せています。 (引用元: https://rp.kddi-research.jp/download/report/RA2020003?_ga=2.190835052.676216222.1648355410-1749015873.1648355410 ) 出版の構成は、絵本が4割になるそうで、読み物が2割強。現在だとコロナでおそらく辞典などがもっと増えているのではないかと思います。 (引用元:同上) 都内の本屋さんに行くと、絵本や図鑑コーナーに、親御さんや子どもたちの姿をよく見かけます。あと、児童文庫コーナー。よみものなら『銭天堂シリーズ』『おしりたんていシリーズ』なんかが人気ですよね。日本の一般読者の方が想像される児童文学(児童書)ってこんな感じではないですか? 一方で、アメリカはどうかというと、こちらのデータが衝撃的でした。 (引用元: https://www.statista.com/statistics/422648/print-book-sales-usa-by-category/ ) なんと、大人の文芸作品より、子ども向けの文芸作品の方が売れている! それで、普段から感じている自分の感覚が少し裏付けられた気がしました。 日本の文芸作品って、海外でいうところの児童文学にあたるものが実は多いのではないか ということに。 たとえば、大ヒット小説の瀬尾まいこ『 そして、バトンは渡された 』(文藝春秋)は、すごく児童文学なんじゃないかと思うんです。まず、主人公が17歳。ちょっと複雑な家庭環境。周囲とのあたたかな交流。もし英語圏で書かれた作品なら間違いなく児童文学として世に出ていたのではないでしょうか。(くわしいあらすじや感想→ 出版社公式ページ ) あと、三浦しをん『 風が強く吹いている 』(新潮社)などに代表される青春小説。仲間との熱い友情、あつれき、達成する喜び。もう、児童文学のテー

TSUNDOKU ブログ 書き初め

こんにちは、児童書大好き Kesera です♪ いつもは Twitter を住処にしていますが、今年は活動の環を「広げる&深める」ことを目標に、まずは第一弾としてブログをスタートすることにしました! 内容は、 1. 旬な主に英語の児童書・絵本の紹介 2. 読書会などの告知、開催 3. 読んだ本の感想 です! 面白そうな本を見つけることが大好きなのと、 面白そうな本がたくさんありすぎるのと、 読むスピードがとっても遅いのがあいまって、 ものすごく積ん読がはかどっているのに、 ブログを書く時間が果たしてあるのか謎ですが(笑) 英語圏の読みものとしての児童書は、日本では考えられないほど出版数が多く、未紹介(未翻訳)の本がたくさんあります。 読者層も子どもから大人まで幅広く、テーマも普遍的なものから昨今の話題まであるので、「児童書は子どもが読むもので、大人の読書には耐えない」と思っている方ほど、びっくりするような読書体験ができるのではないかと思います。 ニューベリー賞やカーネギー賞など世界的に有名な権威ある賞もあり、日本の本好きの方たちに、ぜひもっと知って読んでほしい! また、英語を勉強されている方にとっては、多読で触れられることも多いと思いますが、スタンダード化している多読本だけでなく、イマドキの旬な児童書の「生きたピッチピチの英語」であふれた、自分の興味に合った面白い本にもっと出会ってほしい! そして、児童書ファンが増えて、日本の児童書界隈を盛り上げるのにも一役買えたらいいなぁ。 そんな思いをこめて、キュレーターのようなブログになれればと思っています。 どうぞよろしくお願いいたします♪