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9.11とその後を伝える児童書たち



2001年9月11日火曜日午前8時過ぎのニューヨーク。
日本では夜の9時過ぎに、衝撃的な映像が飛び込んできました。
その事件は、現在のアフガニスタンの混乱、シリアの内戦、移民問題など、いまなお多くの人々、子どもたちに苦難を与え続けています。
しかし、あれから20年以上も経ち、あの事件を知らない子どもたちが増えました。かれらに語り伝えるために作られた児童書は、大人にとっても新しい気付きを与えてくれます。

★合わせて参考サイトもオススメします。
9.11 Memorial & Museum
U.S. Library of Congress

◆アメリカ編

America Is Under Attack
by Don Brown
Official website

Horn Book 2011年ベストノンフィクションの1冊。

あの日の出来事を若い読者にもわかりやすいように、ハイジャック事件から、世界貿易センタービル、ペンタゴン、ペンシルバニアでの墜落、世界貿易センタービルの救出作戦から崩壊まで、時系列にそって解説された絵本。



I Survived the Attacks of September 11, 2001
by Lauren Tarshis
Official website

世界を震撼させたその日、ひとりの少年はただ父親を探していた。
ルーカスがサッカーより好きなのは、パパの親友のベニーおじさんで、二人とも消防署で働いている。ベニーおじさんは、ルーカスにサッカーのすべてを教えてくれた。けれども、両親にサッカーは危険だからやめるように言われ、ルーカスはベニーおじさんに相談することにした。
翌朝、ルーカスがおじさんの消防署に到着した途端、知っていた世界のすべてが変わってしまう。



Escape from the Twin Towers
by Kate Messner
Illustrated by Kelley McMorris
Official website

Ranger in Time というタイムスリップするレスキュー犬 Ranger のシリーズ11作目。単独でも読めます。
2001年9月11日、世界貿易センタービルに到着したレンジャーは、リーシャとマックスに出会う。彼らは学校のプロジェクトのためにリーシャの母親と一緒に行動することにしたのだが、想像を絶する出来事が起こった。ビルから避難したとき、リーシャは母親とはぐれてしまう。レンジャーはリーシャを安全な場所に導き、家族の再会を助けることができるのか?



Ground Zero
by Alan Gratz
Official website

2001年9月11日、ニューヨーク。ブランドンは、世界貿易センタービルの107階にいる父親を訪ねていた。突然、飛行機がタワーに激突し、恐怖と混乱に満ちた悪夢を引き起こした。彼は生き残り、脱出することができるのか?
2020年9月11日、アフガニスタン。戦争の影で育ったレシュミナは、平和と発展を夢見ている。ある日、彼女の村で戦闘が起こり、負傷したアメリカ人兵士と偶然出会う。レシュミナは彼を助けて自分と家族を死の危険にさらすべきか?



The Red Bandanna
by Tom Rinaldi
Official website

ウェルズ・クラウザーは、自分をヒーローだとは思っていなかった。スポーツをし、地元の消防署でボランティアをし、やがて大学に入り、ウォール街でキャリアを積んでいく普通の子どもだった。彼は、父親から贈られた赤いバンダナをいつもポケットに忍ばせていた。2001年9月11日、彼は世界貿易センタービルのサウスタワーの104階で働いていた。その日、彼は多くの命を救った。
生存者たちは彼の名前を知らなかったが、そのうちの一人はたった一つの詳細をはっきりと覚えていた:その男は赤いバンダナをつけていた。ウェルス・クラウザーはヒーローだった。



Nine, Ten: A September 11 Story
by Nora Raleigh Baskin
Official website

数日前、4人の子どもたちは、それぞれの生活を送っていた。ブルックリンに住むセルジオは、大嫌いな父親と大好きな祖母とのあいだで折り合いをつけるのに苦労している。ウィルの父親は交通事故で亡くなり、家族は動揺している。ナヒードは新しい学校で頭に巻いているスカーフのせいで変な目で見られるようになる。エイミーも新しい学校に通いはじめ、仕事でニューヨークに行かなければならない母に会えずにいる。
4人はお互いを知らないが、想像もしなかった方法でその人生が交錯しようとしていた。



Eleven
by Tom Rogers
Official website

アレックスはいつもヒーローになりたいと思っていたけれど、ヒーローになるようなことは何も起こらなかった。11歳の誕生日を迎えるまでは。誕生日プレゼントとして野良犬を助けたとき、アレックスは自分の人生がこれ以上良くなるとは思えなかった。しかし、この日はとてつもなく大きなことが待ち受けていた。



Towers Falling
by Jewell Parker Rhodes
Official website

テロから15年後。先生が授業でかつて教室の窓の外に見えた2つの高いタワーについて話したとき、デジャの気持ちはざわついた。友だちのベン、サビーンとともに、自分が何者なのか、アメリカとは何か、地域社会はどのように発展するのか(そして癒すことができるのか)という疑問の答えに近づくにつれ、新たな疑問も浮かび上がってきた。たとえば、タワーのことを持ち出すと、なぜポップはあんなに怒るのだろう?



What Were the Twin Towers?
by Jim O'Connor & Who HQ
Illustrated by Ted Hammond
Official website

1973年に建設されたツインタワーは、建築学上の驚異と称賛されました。高さ1,368フィート(約152m)の当時世界一高いビルは、ニューヨークのスカイラインを大きく変えました。
ワールドトレードセンターとして知られるこのタワーには、多くの企業が入り、世界の経済の中心地と見なされました。しかし、テロ攻撃によりタワーは倒壊し、ニューヨークの風景は一変してしまいました。



This Very Tree
by Sean Rubin
Official website

1970年代、ニューヨークに完成したばかりのツインタワーに挟まれるようにして、一本の木が植えられ、憩いの場として親しまれてきました。
その日、木は破壊され、瓦礫の下に埋もれてしまいました。しかし、悲劇から1ヵ月後、取り除かれた瓦礫の中から、まだ生きているその木が発見されたのです。
それから約10年後、「サバイバー・ツリー」と呼ばれるようになったその木は、9.11メモリアルに移され、希望の象徴となりました。



◆アフガニスタン編

Nasreen's Secret School
by Jeanette Winter
Official website

アフガニスタンで秘密の学校に通う少女を描いた実話に基づいた絵本。
両親が失踪してから、誰とも話さなくなってしまった幼いナスリーン。絶望の淵に立たされた祖母は、すべてを賭けてナスリーンを秘密の学校に入学させる。献身的な教師、新しい友人、そして本の中の世界は、ナスリーンを悲しみの殻から引きずり出すのに十分だろうか?



Shooting Kabul
by N. H. Senzai
Official website

2001年夏、12歳のファディの両親は、アフガニスタンを離れ一家でアメリカに渡る決断をする。しかし、大混乱の中でファディは妹のマリアムの手を離してしまう。タリバンの兵士が迫る中、トラックはマリアムを残して走り去る。
ファディたちはアメリカでの生活に慣れることができず、9月11日の事件によって、マリアムの居場所が見つかる見込みもほとんど無くしていた。そんな中、インドへの旅行を懸けた写真コンテストが開催され、アフガニスタンで妹を見つけるチャンスをつかむ。しかし、1枚の写真が本当に妹を連れ戻すことができるのだろうか?
作者の夫が1970年代ソ連の支配下にあったアフガニスタンから逃れたときの経験をもとにした物語。



◆シリア難民編

Sea Prayer
by Khaled Hosseini
Illustrated by Dan Williams
Official website

目の前の危険な海を渡る前に、眠っている息子を見守りながら、父親から息子へ託す思いがつづられた絵本。
シリアの苛烈な内戦から逃れるために、決死の覚悟で海を渡ろうとしたものの、海に投げ出された3歳の男の子の遺体が海岸に打ち上げられた痛ましいニュースは世界中に衝撃と悲しみを与えました。自身もアフガニスタン難民である作者が、故郷を捨てなければならなかった人々に思いを重ねてつむがれた物語。



Refugee
by Alan Gratz
Official website

1930年代、ナチス・ドイツに住むユダヤ人の少年ヨゼフは、強制収容所の脅威が迫る中、家族とともに地球の裏側へ向かう船に乗り込む。
1994年、暴動が頻発するキューバで、イサベルは家族とともに安全なアメリカを目指していかだで旅立った。
2015年のシリア。暴力と破壊によって引き裂かれた祖国を前に、マハムードは家族とともにヨーロッパへの長い旅を始める。
避難所を求めて旅に出た3人の子どもたちは、全員が想像を絶する危険に直面する。しかし、そこには常に明日という希望があった。彼らの物語は、最後に一つに結びついていく。



The Boy at the Back of the Class
by Onjali Q. Raúf
Official website

教室の後ろの席に、アーメットという新しい男の子が座るようになった。同じ9歳だけど、口もきかないし、笑わないし、甘いものが嫌いな変な子だ。でも、実はアーメットは変人ではなかった。彼は戦争から逃げてきた難民だったのだ。本物の戦争、爆弾や火や人を傷つけるものから逃げてきたのだ。彼のことを知れば知るほど助けたいと思うようになり、親友たちと一緒にある計画を立てはじめた。



Other Words for Home
by Jasmine Warga
Official website

詩の形式で書かれた物語。2020年ニューベリー賞オナー。
ジュードは、大好きな家族を残して、はるばる海の向こうに行くことになるとは思ってもいなかった。しかし、故郷の情勢が不安定になり、ジュードと母親はアメリカで親戚の家に住むことになる。最初は、アメリカのすべてがあまりにも速く、うるさく感じられた。「中東系」という今まで知らなかった新しいレッテルを貼られることにも、心の準備ができていなかった。
新しい友達、新しい家族、そして新しい挑戦。アメリカもありのままの自分でいられる場所だろうか?



No Ballet Shoes in Syria
by Catherine Bruton
Official website

シリアの戦争から逃れ、母親と弟とともにイギリスにやってきた11歳のアヤ。
アヤは地元のバレエ教室に偶然通うことになる。先生は、アヤの類まれな才能に目を留め、一流のバレエ奨学金を得る可能性があると確信する。しかし、アヤとその家族は、イギリスに残って自分たちの家を作り、シリアからの旅の間に他の家族と離れてしまった父親を探すためにも戦わなければならない。



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